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1.オーバートレーニングによる疲労
 
 オーバートレーニングによる疲労は、十分な栄養と休養でも補えなくなってしまった疲労の蓄積が原因となります。これは、指導者のトレーニング強度の設定ミスや、選手自身を自ら追い込んだ練習などが原因となるでしょう。指導者の設定ミスでは、強化時期の誤りや急激な強度増加,選手の疲労度の把握ミスなどが考えられます。選手自ら引き起こしてしまう場合は、執着性性格(まじめ,熱心で凝り性,正直)であり、徹底的に取り組んでしまうパターンと、強迫性格(規律正しく良心的,責任感が強い,些細なことにこだわる)であり、目標達成のために全身全霊で取り組んでしまうという、共通した性格者に多いといわれています。
当然、改善策としてはトレーニング質量の調節が必要ですが、心理的な面のケアも重要です。とくに熱心に取り組み過ぎる選手は、オーバートレーニング症候群になりうる恐れがありますので、指導される方は陥りやすい選手の見極めが必要です。

2.疲労物質の蓄積
 
 疲労物質(乳酸,水素イオン,リン酸,アンモニア)とは、筋肉が活動したときの代謝物質であり、代表的な乳酸は広く知られています。疲労物質について詳しく説明すると、筋肉はグリコーゲン(糖質)を分解することによって収縮しますが、その分解過程で乳酸も産出されます。その産出された乳酸は血液によって運び出され、肝臓の機能によってエネルギーとして再利用されますが、一部の乳酸は筋肉内に留まります。留まった乳酸は筋肉を酸化させ、筋活動を阻害して身体に筋肉疲労を起こすため、身体もこれに対抗するために、酸素を多く取り入れて乳酸の蓄積を防ごうとします。激しい運動をした場合などは息があがり、心拍数なども運動強度に比例して増加していきますが、原因はこのような疲労物質の蓄積を防ぐために行われていたのです。

3.栄養素の不足による疲労
 
 筋肉は体内組織のなかに蓄えられているグリコーゲン(糖質)をエネルギーとして、その活動が行なわれます。グリコーゲンの蓄えられる量には限界があり、高強度で短時間の運動を行うと大量に消費されます。反対にジョギングやウォーキングなどの有酸素運動では、グリコーゲンを大量には利用しません。しかし、低強度で長時間の運動はグリコーゲンを徐々に減らしていき、その枯渇が疲労困憊の要因となってしまいます。エネルギーの備蓄には限界があるため、スポーツ活動において減少を防ぐには、その補充方法や補充する食品の種類に工夫が必要とまります。

4.水分不足が引き起こす疲労
 運動を行うと汗をかきますが、汗は体内の水とミネラルが含まれており、発汗によってこれらの物質が失われます。筋肉が活動を行うと熱を発生させるため、運動して数分後には体温が上昇してきます。熱はエネルギーの消費を促進させ、身体の疲労を早めてしまいます。しかし、身体は発汗することによって体温が上昇しすぎることを防ぎ、エネルギーの浪費を抑制してくれます。従って、発汗しても水分を補いながら運動を続ければ、体温の上昇による疲労が抑えられますが、補充することなく運動を続けてしまうと、体温の上昇が制限できなくなって疲労してしまいます。さらに、発汗によるミネラル不足によって筋痙攣を引き起こしてしまうと、著しくパフォーマンスを低下させてしまいますので、ミネラルの補充にも注意が必要です。

次回は疲労への対策・改善方法をお伝えします!

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